レンズエレメントの劣化で考えられるものを挙げますと
カビ(最初は点、後に糸状)
バル切れ(レンズ中に断層のようなものが見える)
内部レンズエレメントへの傷(製造時・メーカー修理時につけられたもの)
水滴跡(水滴浸入)
表面レンズコーティングの傷
気泡混入
くもり
といったところでしょうか。
今回のコーティングの傷(劣化)がどのようなものであるか分からないのですが、このいずれかである可能性が高いと思います。(かびかどうか調べることができないことから内部なのでしょうが)
かびについては、いくら防湿庫にいれておいたからといって必ずしも安全なわけでもなく、ましてや、防カビ剤で防げるものではなく、いずれにしても私は気休め程度に考えています。かびさせない一番の方法はやはり機材を使ってあげること、それが一番です。
バル切れについては、いろいろな原因とされる事柄があるでしょうが、レンズエレメント張り合わせ剤の自然劣化をより進行させる過度の乾燥・あるいは湿気にさらされるなどしたことも、バル切れを生じさせる要因と私は考えています。
メーカーで傷をつけられたのであれば、今現在は文句は言えません。これは気泡混入についても同様です。購入してすぐ、あるいは、修理品を受領してすぐ、その旨を伝え、交換・修理をしてもらうことになります。
水滴も意外と厄介なものです。レンズ鏡筒表面やレンズと鏡筒の隙間から侵入したり、あるいは、湿度の非常に高い場所、また、冬場、機材が冷えた状態で暖かい室内に入ったときなども用心が必要です。くもりの原因となることもあります
くもりは、レンズエレメント表面が化学反応により透明度が失われることです。これはある種のレンズでは宿命とされる部分もあり、気をつけてどうにかなるものではない場合もあります。
前述の水分付着からのくもりも生じえます。